BioLinux(1) BioLinux8をデスクトップパソコンにインストールしてみた

BioLinux8は、Linuxディストリビューションの1つであるUbuntu14.04をベースに作られたバイオインフォマティクス解析に特化したLinux OSです。

environmentalomics.org

ぶっちゃけ、中身はUbuntuなんですが、NGS解析をはじめとする生物系のデータ解析に必要なソフトウェアがあらかじめインストールされています。environmentalomics.org

生物系のソフトウェアの中には、Perlなどの拡張モジュールやその他のソフトウェアに依存して動くものがあり、場合によってはそれらを自分でインストールしなければなりません。そのため、初心者にとってはソフトウェア1つをインストールするのも一苦労なんてこともあります(例えば、MEMEとか)。

 

そのため、あらかじめ必要なソフトウェアがインストールされており、初めから解析ができる環境を提供してくれるBioLinuxは「Linuxは初めて(>_<)」という初心者の方(自分を含め)におすすめなLinux OSだといえるでしょう。

 

 ここでは、先週CentOSが入ったデスクトップパソコンからCentOSを消してBioLinux8を入れたときの備忘録を書きたいと思います。

 

1.  BioLinux8インストール用のUSBメモリを準備する

 OSを自分のパソコンにインストールしたことがある人ならわかると思いますが、どうやってパソコンにOSをインストールするかというと、CD/DVDやUSBメモリに入ったOSのデータをパソコンを起動させたときに呼び出すことでOSを自身のパソコンにインストールします。

 

そのために必要になるBioLinux8の入ったOSインストール用のUSBメモリをまず作ります。

必要なもの

  • USBメモリ(4GB以上)
  • インターネットに接続されたパソコン

(1) BioLinux8のダウンロード

まず、下記のURLからBioLinux8のisoファイルをダウンロードします。

Environmental Omics » Bio-Linux Installation

isoファイルへの直リンク

http://nebc.nerc.ac.uk/downloads/bio-linux-8-latest.iso

 

(2) UNetbootinのダウンロード・インストール

実は、ダウンロードしたBioLinux8のisoファイルをそのままUSBメモリにコピーしても、OSインストール用のUSBメモリとして機能しません(パソコン起動時にOSのインストールが開始されません…)。

ブートできるUSBメモリを作成するために、UNetbootinと呼ばれる専用のソフトを使います。下記のサイトからソフトをダウンロードして、自分のパソコンにインストールしましょう。

UNetbootin - Homepage and Downloads

 

(3) isoファイルをUSBファイルに書き込む

買ってきたUSBメモリをパソコンに指し、UNetbootinを起動します。UNetbootinのサイトに書いてあるとおり、「Diskimage」にチェックを入れ、先ほどダウンロードしたBioLinux8のisoファイルを指定してください。そうしたら、「OK」ボタンをクリックしisoファイルをUSBメモリに書き込みましょう。

 ここまで出来たら、BioLinux8をインストールするためのUSBメモリの完成です。

 

2. BIOSの設定(USBメモリが一番先に読み込まれるようにする)

用意したデスクトップパソコンにBioLinux8をインストールする前にパソコン自体の設定をしなければいけません。

パソコンが起動した時、ハードディスクやCD/DVD、USBがどの順番で読み込まれるか順番があらかじめ決められています(下図では、CD/DVD→ハードディスク→USBの順)。

今回はUSBメモリ経由でOSをインストールするので、パソコン側がUSBを一番最初に読み込むように設定する必要があります(BIOSの設定)。

 

BIOSの設定はマザーボードのメーカーによって異なるので、ここでは例としてASUSBIOS設定について示したいと思います。

「Boot Priority」中で青くなっているのがUSBです。

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アイコンをドラック&ドロップで一番左に持ってきます。これでパソコン起動時にUSBが一番最初に読み込まれるように設定されました。

あとは、右上の「終了/アドバンスト」ボタンをクリックしていったんパソコンをシャットダウンします。

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3. BioLinux8のインストール

1で作成したUSBメモリをパソコンに挿した後、パソコンを起動させます。

 すると、以下のような画面になるので、「Install Bio-Linux 8」を選択して「Enter」を押します。

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Bio-Linuxのロゴが出現します。

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Welcomeの文字が出てきます。まずは言語の設定でデフォルト通りに「English」を選択し(日本語を選択するとうまくBioLinux8がインストールされない可能性があります)、「Continue」をクリックします。

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何も考えずに「Continue」をクリック。

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一番上にチェックが付いていることを確認して、「Continue」をクリック。

一番上を選択すると、ハードディスク内に書き込まれた情報をすべて消去し、BioLinux8がインストールされます。今回の場合、CentOSが入っていたのでこれを選択することによりCentOSが消えてBioLinux8が代わりにインストールされます。

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ハードディスクのパーティション分けに関して聞かれているよう。とりあえず、何も考えずに「Continue」をクリック。

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所在地はどこだと聞かれたので、地図上で「Tokyo」を選択して、「Continue」をクリック。

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キーボードの設定を聞いてくるので、日本語のキーボードを選択(英語のキーボードを使っている人は英語のを選択)。

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「username」と「passward」の設定。この2つはログイン時に必要になるので、忘れないようにしておきましょう。また、「Log in automatically」を選択しておくと、パソコン起動時に自動でログインするように設定できます。

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インストールが始まりました。

(私がやったときは謎のエラーが起こりました。CentOSは消えてしまい、BioLinuxもインストールされず。ラボのパソコンが”ただのでかい箱”になってしまい、青ざめました…。その時は、ハードディスクが一番最初に読み込まれるようにBIOSの設定を行い、パソコンを再起動。さっきとは少し違う画面で、UNetbootinの設定画面が出てくるのですが、Install Bio-Linux8を選択しました。再びBioLinux8のインストールを行ったところ、無事にインストールされました。なんでエラーが出たのかはよくわかりません…。)

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無事に、インストール完了!

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以上でBioLinux8のインストールは完了です。思っていたより簡単な作業ですね(エラーさえでなければ…)。